昔の私は、自分が強いと思ったことは一度もない。
競い合うことは嫌いだし苦手だった。
子供の頃、何故競い合いをしなければならないのか意味が分からなかった。勝ち負けなんかに興味はなかったし、勝てると思ったこともほとんどない。
このまま負け続ける人生かと思った。
それでもいいと思っていた。
無難な人生が送れるならそれでもいいと。
でも、負けるだけの人生なら生きる価値がないと思った瞬間、覚悟ができた。
全てを終わらす覚悟。
そして、自分が全てだと自分に酔った。
人生は変わった。
その時は、最高だと思った。ただ長くは続かなかった。
幻想だった。
周りの人は知っていたのだろう。今思えば幻想だと教えてくれる仲間もいた。
俺は何も見えていなかった。
幻想の世界で、勘違いして生きているバカは多い。
それを若くして知ることができた私は幸運だ。
だから、今はそんなバカをみて「まだ、お前はそこにいるのか」「可哀想に…」と思う。
人生に勝ち負けなどなかった…
ただ自分に負けていた。
「っという話…」