どうも『ぴんすと』です。
住宅の換気システムについて少し書いていきたいと思います。
そもそも「24時間換気システム」とは?
もう随分古い話ですが、2003年(平成15年)、建築基準法の改正により、シックハウス対策に係る法律が改正されました。
その時の内容が、
①ホルムアルデヒドに関する建材の使用制限、換気設備の規制。
・内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積を制限。
・機械式換気設備の設置を義務付け。
・天井裏などから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐための措置。
②クロルピリホスの使用禁止。
・クロルピリホスは、有機リン系殺虫剤で、農薬やシロアリ駆除などに使用されていた。
住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」が問題視されるようになりました。
そのため、住宅に多く使用されていた上記2つの化学物質使用の制限と禁止、そして、住居の換気設備の設置義務が建築基準法で改正されました。
「シックハウス症候群」は、原因物質が人の粘膜を刺激し、目や鼻、のどなどに刺激があったり乾燥したりするなどの症状から、頭痛やめまい、吐き気やせきなど、また、精神的な疲れを感じるなど、人によって様々な健康障害があらわれます。ただ、個人差があり、同じ環境でも全く影響のない人もいます。
そのシックハウス症候群の原因物質として、私たちの身近で多く使用されているものが「ホルムアルデヒド」と「クロルピリホス」いう化学物質ということです。
そして、「クロルピリホス」は使用禁止にすることができたみたいですが、「ホルムアルデヒド」は様々なものに使用されており、使用禁止することが難しいのか?使用の制限という形になったと思われます。
「ホルムアルデヒド」は、常温で無色の刺激臭がある気体。住宅では主に「合板」の製造で使用されているみたいです。水に溶けやすく、37%の水溶液がホルマリンと呼ばれ、殺菌力、防腐力がある。ホルマリン臭の発生は、合板が接着、硬化したあとに、ホルムアルデヒドが空気中に放散されたため。
この放散量を、「F☆☆☆☆」「F☆☆☆」「F☆☆」など区分し、建材の使用面積の制限をする。
そして、「F☆☆☆☆」は、放散量が少ないため使用制限なく使える建築材料となります。
また、「ホルムアルデヒド」は、建築材料だけでなく、タンスや食器棚、テレビ台やダイニングテーブル、その他様々なものに使用されています。
MDF、パーティクルボードは、木の屑を接着剤で固めたものですが、同じようにホルムアルデヒドが放散されます。
建築材料は建築基準法で厳しく制限されますが、こういった家具などは規制対象ではないみたです。また、ホルムアルデヒドについて表記されていないこともあります。
私的には、合板やMDF、パーティクルボードなどを使う安価な製品は放散量が多いかもしれません。よくホームセンターなどで売っている安い収納ボックスなど…
そういった商品を購入する際には「F☆☆☆☆」などの表記を確認してみることも大事かもしれません。
あと、シックハウス対策と「VOC対策」と書かれていることもよくありますが、「VOC」とは、揮発性有機化合物のことで、ガソリンやシンナーといった有機溶剤のことです。
っという「シックハウス症候群」、「ホルムアルデヒド」ということを踏まえて、住居の換気が如何に必要かということが分かります。
「24時間換気システム」の種類!
・第一種換気
給気と排気をともに機械で行う。機械で行うため循環をコントロールできる。ただ、設置コストは高くなる。
「分散型」は、吸気と排気を別々の場所で行う。
「集中型」は、吸気と排気を一ヶ所で行い、ダクトで各部屋を換気する。
・第二種換気
給気のみ機械で行い、排気は自然排気。
室内の気圧が屋外より高くできるため、フィルターなどを通してキレイな空気のみを給気を給気すると室内はキレイな空気を保てる。病院の手術室やクリーンルームなどはこの換気方法。
ただ、壁内結露が起こりやすく、一般の住宅ではあまり採用されない。
・第三種換気
排気のみを機械で行う。給気は自然給気。
もっとも一般的な換気。各部屋に給気口があり、その給気口から外気がそのまま入ってくるため冷暖房効率は悪くなる。排気はトイレの換気扇など。設置コストは一番安い。
全熱交換型(第一種換気)
排気から熱と湿気を取り、給気に戻す。簡単に言うと、外気を室内の温度に近い状態にして給気するらしいです。換気による熱ロスが少なくなり省エネ。
熱の交換率はメーカーによって違い、約70%~90%。
全熱交換器タイプと顕熱交換器タイプがあり、「全熱交換器」は、熱と湿気。「顕熱こ交換器」は、熱のみ。
24時間換気システムは、居室で給気して水廻りで排気することが理想だが、全熱交換型は、排気からニオイなども戻すためトイレや浴室の排気は局所排気にしなければならない。
確かに、全熱交換型は冷暖房の効率がよく省エネかもしれませんが、ランニングコストを考えると、メンテナンスや維持費が意外に一番高くなるかもしれません。
基本は、フィルターを毎月清掃、6ヵ月でフィルター交換、フィルターは約5,000円。こういった住宅のメンテナンスって意外と面倒なんです。そして、ダクト内の清掃を業者に依頼しなければならないといったデメリットもあります。
という住宅の換気の話でした。
特に、新築時は換気を多く行いましょう。
そして、安価な収納棚の一括大量購入設置は控え、「F☆☆☆☆」などの表記に気を使い家具を購入しましょう。私自身、ホームセンターの安価な収納棚を3つ、新築の書斎に設置後、その独特な臭い苦しんだ経験があります。
「換気の種類で各住宅会社をみても面白いです。」